あの一瞬 アスリートが奇跡を起こす「時」 (角川文庫)
本, 門田 隆将
によって 門田 隆将
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内容紹介 瀬古利彦、サッカー日本代表、遠藤純男、ファイティング原田、新日鉄釜石、明徳義塾……。さまざまな競技から歴史に残る名勝負を選りすぐり、勝敗を分けた「あの一瞬」に至るまでの心の奇跡を描きだす。 内容(「BOOK」データベースより) 重傷を負いグラウンドに立てなくなったキャプテンがまとめ上げたサッカー日本代表、舌の表面のざらざらした細胞が立ってしまうほどの減量に耐え「圧倒的不利」との下馬評をひっくり返したファイティング原田、「松井五敬遠」で世間の非難を一身に浴びた明徳義塾ナインが示し続ける鉄の結束…。さまざまな競技から歴史に残る名勝負を選りすぐり、勝敗を分けた「あの一瞬」に至るまでの心の軌跡を描きだす。 著者について ●門田 隆将:1958年(昭和33年)、高知県生まれ。中央大学法学部卒。ノンフィクション作家として、政治、経済、司法、事件、歴史、スポーツなど幅広い分野で活躍。『この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(角川文庫)で第19回山本七平賞受賞。主な著書に『なぜ君は絶望と闘えたのか 本村洋の3300日』(新潮文庫)、『太平洋戦争 最後の証言』(第一部~第三部・角川文庫)、『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日』(PHP研究所)、『記者たちは海に向かった 津波と放射能と福島民友新聞』(角川書店)など。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 門田/隆将 1958年、高知県生まれ。中央大学法学部卒。戦争、事件、司法、スポーツ等、幅広いジャンルでノンフィクションを執筆。『この命、義に捧ぐ―台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(角川文庫)で山本七平賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 続きを見る
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女子ソフト、「志は国境を越えて」が複雑な構成で物語として最も良く出来ている。以下。2008年成田空港に北京五輪の準決・決勝の二日間三試合に423球投げ、日本に金メダルをもたらした上野由岐子が姿を現した。その時、「任さんは?任さんはどこ?」と聞いた。任さんとは、15年前日本に帰化した宇津木麗華旧称任麗華である。中国の四番打者であり、全日本の不動の四番更にルネサス高崎ソフト部の監督として上野を指導した。金メダルは、任さんのお蔭であった。何か言おうとすると涙が溢れた。二人は、泣きながら抱き合った。上野は、壁にぶち当たっていた。1981年夏、任は宇津木妙子に会っている。妙子は攻守に秀でた選手であった。中国ナショナルチームの先輩から土産を託され「この人に会いにいけ」と言われたその相手こそ、過って憧れていた選手だった。その瞬間この人に教えてもらいたいと思った。カナダのエドモントン第一回世界ジュニア選手権では、麗華は、中国の監督・コーチの眼を盗んで妙子の部屋に来た。二人は筆談で延々とバッティングについて語り合った。そして、麗華は圧倒的高率で首位打者となった。表彰式の直後、驚くべき出来事が起こった。麗華が妙子のところに駈けてきた。そして、トロフィを差し出したのだった。麗華が帰化したのは、それから14年後の1995年である。姓は、妙子の「宇津木」を貰った。そして、全日本の主軸に座り、若い選手の指導を怠らなかった。アテネで銅メダルに終わった時、あることを理由に引退を決めた。それは、「上野を育てること」に他ならなかった。日本ソフトボール界への恩返しである。そして、壁にぶち当たっていた上野にアメリカ行きを持ち掛けた。それは、相手の承諾がないままの決断であった。上野は、人間がここまで変れるかと思うほど変わった。そして、冒頭のように優勝したのだ。ここに登場する人たちは、負けてたまるかと云う気魄と自分を支えてくれた人たちに対する感謝が共通していて清々しい。
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