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文明の衝突と21世紀の日本 (集英社新書)

, サミュエル・ハンチントン

によって サミュエル・ハンチントン
5 5つ星のうち 53 人の読者
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メディア掲載レビューほか 普段何気なく戦前、戦後と言っているが、戦前の「大日本帝国」と戦後の「日本」は国家としては別の国家であることを、われわれはあまり意識していない。もっとも国家が違っても、領土、民族、文化などで核になる部分は重なっているし、昭和の元号も変わらなかったので、意識しないのも当然かもしれない。 ところでこんなふうに、筆者の頭脳には不向きなことをとりとめもなく考えているのは、ハンチントンの近著『文明の衝突と21世紀の日本』を読んだからである。 本書は新書版で手軽だが、内容的には大変なことが書いてある。構成は大きく3つに分かれていて、最初のパートのテーマは、冷戦時代とガラリと変わってしまった世界構造のなかで日本はどういう選択をするか、である。日本は過去、常に一番強いと思われる国に追随する戦略をとってきた。そして近い将来、中国が経済的にも軍事的にも強大になってきた時に、日本は、アメリカか中国か、追随すべき国の選択を迫られるという。 2番目のパートでは、唯一の超大国となったアメリカのとるべき戦略をテーマとしている。ハンチントンは、アメリカがパワーを保ち続けるためには、唯一の超大国であることをあからさまに押し出すべきではないとする。それをやると反アメリカ包囲網が形成されるという。 そして第3のパートでは、文明の衝突理論を簡明に説明している。1993年に発表されて世界的なベストセラーとなった『文明の衝突』を読んだ人も、もう一度本書のこの部分を読むと、今世界各地で起きている複雑な紛争の意味が理解しやすくなるだろう。 米ソ冷戦時代が終わって、世界各地で噴き出した紛争は、かつての国家間の紛争とは様相を異にした。いわゆる内戦とも違って、民族と宗教と文化が複雑に絡み合った国家横断的な戦争が始まっていた。『文明の衝突』はそういう時代の到来を鮮やかに予測していた。本書では、今起きている紛争を例に挙げて文明の衝突理論を解説しているのでよりわかりやすい。 国家とは別の枠組みで戦争が始まった。それは国家を超えて影響力のある文明間の対立だという。これからは、国家よりも文明の差異が世界の政治・経済構造では重要になるのだそうだ。ハンチントンは、日本を中華文明から独立した1つの文明としているが、それなら、あえて国家概念を明確にするより、曖昧は曖昧でそれを日本文明の特質とし、他文明との差異に敏感になった方がいいかもしれない。 (ジャーナリスト 野口 均)(日経ビジネス2000/2/28号 Copyright©日経BP社.All rights reserved.) -- 日経ビジネス 内容紹介 世界に衝撃を与えた、ハンチントンの問題の論考!「国家」は、宗教の反目、文明の対立を乗り越えられないのか!?九三年に発表された「文明の衝突」理論は、その後のコソボ紛争、さらに東ティモール紛争でその予見性の確かさを証明した。アメリカ合衆国の「21世紀外交政策の本音」を示して世界的ベストセラーとなった「原著」の後継版として、本書は理論の真髄を豊富なCG図版、概念図で表現。難解だったハンチントン理論の本質が、一目のもとに理解できる構成とした。その後九九年に発表された二論文を収録、特に日本版読者向けに加えた「21世紀日本の選択」は、単行本「文明の衝突」の読者必読の論文である。[著者情報]サミュエル・ハンチントン一九二七年ニューヨーク生れ。ハーバード大学政治学教授。同大学ジョン・オリン戦略研究所ディレクター兼務。一九七七?七八年米国国家安全保障会議、安全保障政策担当コーディネーターを務める。アメリカを代表する戦略論の専門家。政治学、戦略論、国際関係論に関する著作は『第三の波:二十世紀後半の民主化』ほか多数。 商品の説明をすべて表示する
文明の衝突と21世紀の日本 (集英社新書)を読んだ後、読者のコメントの下に見つけるでしょう。 参考までにご検討ください。
著者の「文明の衝突」が最初に発表されたのは、アメリカとイラクの湾岸戦争後1993年頃の事でした。当時話題になり、私も読みました。先月(2015年11月)パリで同時多発テロがありました。アメリカよりも比較的文化的多様性を寛容に受け入れてきたヨーロッパで、こんな事が起こるなんて信じられませんでした。そこで昔読んだ上記の本を思い出し、補筆された本書(初版2000年)を手に取りました。本書は3.11前の2000年に発行されたものですが、ページをめくるごとに、まるで一度タイムマシンで現代に来てから2000年に戻り、書いているのではないか?と思えるほどに、現在の世界の状況(日本を含む)を見通していました。手に取って見て良かったです。また本書ではアメリカ人の中にも自分たちに欠点に気づいている人達もいるのだなとホットした面もありますが、でもアングロサクソンは裏返しの表現をわざとすることもあり、真意はどうでしょうか。いずれにしろ、歴史は人間の限界も表すものである事も再度感じました。皆さんも是非読んでみては?☆五つ!

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