日本文学史 - 古代・中世篇六 (中公文庫)
本, ドナルド・キーン
によって ドナルド・キーン
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内容紹介 室町から安土桃山時代。僧侶や武士の描いた日記や、五山文学とよばれた漢詩文をはじめ、能・狂言や御伽草子など、後世にまで伝わる豊饒な文学世界。 内容(「BOOK」データベースより) 室町と安土桃山時代。能・狂言や御伽草子など、後世に伝わる豊饒な文学世界。 商品の説明をすべて表示する
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碩学キーンの"Seed in the Heart" の翻訳であり、中央公論社から公刊された単行本を底本としている。英文で書かれた日本文学史を日本語に翻訳、という難業にあたった訳者の労を多とする。専門の国学者ではない日本文学愛好者が読んで楽しみ、さらに調べものや再読に耐えるだけの内容を備える。章ごとに注と参考文献があげられる。注は長いものもあり、マニアック。キーンをふくめた欧米の研究者の参考文献も多くあり、現在までのジャパノロジーの厚みをうかがわせる。先人をもたなかった漱石が「18世紀のイギリス文学」を日本語で論じていた頃からすれば、隔世の感がある。本巻は14世紀後半から16世紀後半までの200年間を扱う。室町前期から安土・桃山時代の終わりまで、というところか。室町時代の日記として、普通は文学作品としては評価されることのない坂十仏『伊勢大神宮参詣記』をとりあげたり、中国の模倣として軽んじられる「五山文学」に1章をあて、漢詩とその英文訳をならべ丁寧に解説している。一休宗純の小伝と『狂雲集』の解釈は、すでに知る知識を語り直すことで新しい発見がある一例となる。「文学としての能・狂言」は、文字に表された部分だけを論じているのだが、舞台での訳者の動作をも述べているので、記述の背景に舞を見て曲を聴いた経験のあることがわかる。他には連歌と御伽草子についても論じられる。中国伝来と思っていた胡弓が、西洋中世の楽器「レベック」に由来するという説があることを知る。
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