絞首刑は残虐な刑罰ではないのか? — 新聞と法医学が語る真実
本, 中川智正弁護団
によって 中川智正弁護団
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内容紹介 絞首された死刑囚は即座に意識を失って苦痛を感じないとされる(古畑鑑定)。これが死刑が残虐でない刑罰とされる唯一の根拠である。本書は、最近の法医学の知見とさまざまな資料に基づいて、この説に疑問を投げかけ、死刑是非論争に一石を投じる。 内容(「BOOK」データベースより) 絞首刑の真実が今、明らかにされる。絞首刑について60年振りの本格的な裁判の記録!W・ラブル博士(オーストリア法医学会会長)が「日本の絞首刑で死刑囚の首が切断される恐れがある」と断言!絞首刑執行の新聞記事、104人分収録。本邦初!明治時代の官報刑死者全リスト、1184人分収録。本邦初。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) ラブル,ヴァルテル 医師で、1983年からオーストリア・チロルのインスブルック医科大学法医学研究所(GMI)に勤務している法医学者。同研究所の副所長であり、オーストリア法医学会(¨OGGM)の現会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
ファイル名 : 絞首刑は残虐な刑罰ではないのか-新聞と法医学が語る真実.pdf
絞首刑は残虐な刑罰ではないのか? — 新聞と法医学が語る真実を読んだ後、読者のコメントの下に見つけるでしょう。 参考までにご検討ください。
次から次へと驚きの事実ばかりでした。日本の死刑に関する法律が明治6年から変わっていないことから始まって、フセインの従兄弟だけではなく日本でも首がちぎれてしまう例が実際にあったこと、苦痛を与えたり首がちぎれないように調整しようとしても科学的な予測は現代でも不可能であること。その上、日本では、死刑執行の大事な部分が明文化されておらず、どのような運営がなされているか全く不透明なんだそうです。手続きが決まってないのに、取り返しのつかない絞首刑というのが執行されてるなんて!中でも、半世紀も前に出された「絞首刑は残虐ではない」という判決の前提となった日本の法医学者の見解は、現在の法医学では全くの誤りだというのも驚きでした。だったら、「絞首刑が合憲」だという土台が崩れてしまったということですよね。大阪の此花区パチンコ放火殺人事件で証言に立ったオーストリアの法医学者は、「日本のような近代的な文明国で、絞首刑―中世の暗黒時代や西部劇の映画から知られているような方法―が『残虐ではない』処刑の方法として受け入れられていることにショックを受けた」と意見を寄せていました。世界水準から言うと、どれだけ時代錯誤な刑が執行されているか、この本を読めば、すっきり納得です。明治時代からの絞首刑執行の生々しい記事、法医学的な見地、さらには法律の不備―今までぼんやりとしか見えていなかった絞首刑が、ありありと浮かび上がります。死刑の是非を論じる前に、実態を知っておくべきではとも思いました。ちなみに。この本は実際に裁判に提出された上告趣意書がベースになっているそうです。これだけの論点がありながら、この内容が世間には報じられることなく、裁判が終わってしまったことにも驚きです。
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