将軍と側近―室鳩巣の手紙を読む―(新潮新書) pdf無料ダウンロード

将軍と側近―室鳩巣の手紙を読む―(新潮新書)

Kindleストア, 福留 真紀

によって 福留 真紀
4.1 5つ星のうち 4 人の読者
ファイルサイズ : 24.4 MB
時に将軍の振る舞いに戸惑い、時に老中のバカさ加減に憤る――。家宣・家継・吉宗ら徳川将軍三代に仕えた儒学者、室鳩巣。彼が残した手紙には、政権や社会への批判、皮肉、嘆き、賞賛、喜びが、素直に記されている。最高権力者である将軍と、取り立てられた側近、実務を支える官僚たちが織りなす世界は余りにも人間臭い。いつの世も変わらぬ生身の人間と政治の有り様を、新進の歴史学者が生き生きと描き出す。※新潮新書に掲載の写真は、電子版には収録しておりません。
以下は、将軍と側近―室鳩巣の手紙を読む―(新潮新書)に関する最も有用なレビューの一部です。 この本を購入する/読むことを決定する前にこれを検討することができます。
副題にあるように、6代将軍家宣政権期の終わりから8代将軍吉宗政権期の半ばまで、幕府の儒者として政権中枢の近くにいた室鳩巣の目を通して時の政治の主役たちである将軍、側近、老中などの人物像や、政策や権力をめぐる争いなどの人間模様を描いた本である。室鳩巣が門人に宛てた手紙を主とした書簡集『兼山秘策』を基本資料としているが、鳩巣が家宣政権でブレーンを務めた新井白石から直接話を聞く立場にあり、また吉宗政権のある時期からは本人がブレーンとなったこと、門人に宛てた手紙ということでかなり率直に直接の経験や伝聞、それに対する感想を述べていることから内容としてはかなり興味深いものが多い。一人の人物による定点観察ということで、将軍が代わることによる権力構造の違い、というものがはっきりと見える点は本書の取った手法の長所であろう。一方で当然ながら、それぞれの人物に対する評価に室鳩巣という人間の思想や価値観というフィルターが入っているので、かなり一方的と思える記述も多いように感じられた。特に老中たちを「不学」であるかどうかで評価していることについては儒者という立場からは仕方ないのかもしれないがやはり違和感があった。また家宣政権期、新井白石の登場で幕府の儒者としての立場を失っていた林大学頭(信篤)の行動については常に批判的であるが、新井白石の推挙で幕府に取り立てられた鳩巣の立場からすれば当然とはいえフェアとは言えないであろう。著者もその点は認識しているようで、例えば鳩巣が「極老」とまで厳しく批判している老中土屋政直については、それ以外の資料を用いて名君としての側面も持っていたことを紹介している。本来ならそれぞれの人物について同様のことを行えば多面的に人物像を構築できるだろうが、新書という性格上かなり煩雑で読みにくいものになる可能性もある。また関係する資料が他にない場合は仕方がないし、全てについて公正を期すことは無理なので、読者の方がそういう短所を認識した上で書かれていることを解釈していくしかないのかもしれない。『兼山秘策』は江戸時代から既に写本が流布していたそうで、近世日本史のテキストとしては基本的なもののようである。手紙を受け取った門人(青地兄弟)は死後に焼却することにしていたそうだが結果としては後世に残されることになった。正直なところ室鳩巣という人物そのものにはあまり良い印象は持てなかったが、このような形で江戸時代の将軍周辺の人間模様を伝える情報を残してくれたことには(青地兄弟も含め)感謝すべきであろう。

Daniel Sarah Directory 2021

Best Sites To Read Free Books Online And Download @dede.storeinfo.jp

0コメント

  • 1000 / 1000